社会人の平均勉強時間は10分未満と言われています。しかし、この数字はあまり意味の無い数字です。
実際は社会人の20人のうち1人くらいしか勉強をしておりません。(つまり5%です。)そのため、かなり平均時間は下げられています。
では勉強している方の平均勉強時間は約160分と言われています。
え、意外と多くない!?
いきなり160分も勉強するのは大変かもしれません。しかし、勉強している5%側の社会人になると周りに差をつけることができます。
転職を考えている人は資格の勉強をしようと思っている方もいるかもしれません。
電気工事士という資格をご存じですか?
転職先の必須項目や歓迎項目として、「電気工事士○級」をお持ちの方という場合があります。
電気エンジニアの方や電気系エンジニアを目指している方は、電気工事士を取得することは一つの選択肢として考えてみても良いと思います。
ただ、今まで全く電気について勉強したことが無い人もいると思います。その様な人も電気工事士は目指すことができます。
- どの様に勉強していけば良い?
- どの様な仕事に活かせる?
- 資格を持っていれば転職有利になる?
などの疑問をこのブログで解消します。
電気工事士とは?
「電気工事士」とは、電気設備の工事や取扱いの際に必要な国家資格のことです。
電気工事の欠陥による災害を防止するために電気工事士法により定められている資格で、電気工事に携わる方にとっての代表的な資格です。
どんな仕事をする人?
電気工事士の仕事の種類や領域は、とても幅広いです。
仕事内容は主に下記です。
- 電気工事の現場代理人
- 電気設計の仕事
- 積算と見積もりの仕事
◇電気工事の現場代理人
電気工事の責任者。現場全体を管理し、工程全体を進めていく仕事。
◇電気設計の仕事
実際に電気設備を工事したり、設計業務など。
◇積算と見積もり
建築物の工程ごとに分けて必要な材料などを考え、それに原価をかけて計算することや、それに付随する業務。
分野は大きく2つに分けることができます。
- 建設電気工事
- 鉄道電気工事
◇建設電気工事
建設電気工事は、官公庁施設や教育施設、工場、ビル、事務所、病院、住宅など、あらゆる建設物の屋内外電気設備の設計や施工を行う工事です。
また、変電設備などの配線や大型機器の回路のメンテナンス、さまざまな建物のコンセントや照明器具の取り付け・電球交換なども含まれます。
代表的なものは「建築電気工事」です。建築電気工事は、建築現場での電気工事全般を指します。
電気工事は、他の建設作業と並行して行うことが多く、通常はグループをつくり共同で施工します。
大型の工事の場合、施工管理者の指示に従って工事が進められます。
そのため、現場単位での進捗状況や他業種との打ち合わせも必要になってくるでしょう。
作業現場は多岐にわたり、需要も多く、飽きのこない仕事と言えるでしょう。
◇鉄道電気工事
鉄道電気工事は、日本の鉄道を支える工事全般を指します。
鉄道には電車に電気を送る架線、安全運行を支える信号システム、踏切、駅の照明・通信設備、そして電力を供給する発電所・変電所に至るまで、さまざまな電気設備があり、それらに関わる工事を行います。
また、設備が故障しないように、駅構内の照明設備や配電線路工事の施工、自動改札装置、電気掲示器などの施工、保守業務も行います。
ただし、鉄道施設内で電気工事を行うには、さまざまな条件をクリアしないといけません。
電気工事士に向いている人
- 慎重で丁寧に物事を進められる几帳面な性格である人
- 体力や根気がある人
- 仕事の成果が明確にほしい人
◇慎重で丁寧に物事を進められる几帳面な性格である人
非常に細かい作業が多いため、常に自分の作業を妥協せず、図面通りに正確に仕上げることのできる几帳面な性格であることが求められます。
また、電気工事は作業方法や手順を間違えると、感電や漏電による重大な事故を引き起こす可能性があります。したがって、安全面には十分過ぎるほど注意して、慎重に物事を進めなくてはなりません。
◇体力や根気がある人
机に向かって行うデスクワークよりも、現場で手と体を動かしながら作業をする時間のほうが圧倒的に長くなります。高所の不安定な作業場所で太いケーブルを引っ張ることもあり、相当な体力が必要とされます。
◇仕事の成果が明確にほしい人
成果が目に見えてわかること、形として残ること、生活に必要であり欠かせないものを作り出すことができます。1つ1つの現場で区切りがあり工期に沿って1つ1つが終わっていきます。そのため1つの現場が終わるごとに成果が目に見えて分かり、やりきった達成感が得られます。
電気工事士に向いていない人
- 仕事に自由さを求める人
- 上下関係が苦手な人
- 勤務形態のこだわりがある、体力に自信のない人
◇仕事に自由さを求める人
電気工事では、指示されたことをきちんと遵守し、定められた手順で、定められた期限内に、自分の役割を完遂しなければなりません。
このようなことに、苦痛や窮屈さを感じる人は向いているとは言えないでしょう。
◇上下関係が苦手な人
電気工事士は職人の世界です。つまり上下関係がかなりはっきりとしています。上下関係が苦手な人には電気工事士は厳しいかもしれません。
◇勤務形態のこだわりがある、体力に自信のない人
企業や案件によっては、土日や深夜での仕事の可能性があります。そのような勤務形態が合わない方は、向いていないでしょう。しかし、自分が希望している働き方ができる企業もあるので、そういった企業への転職を検討することをおススメします。
また、肉体的にしんどい仕事も多くあります。肉体労働が理由で電気工事士を諦める場合は、屋内での作業が多い企業への転職を検討することをおススメします。転職についてはこの後記載しています。
仕事のやりがい
- 達成感
- 手に職がつく
- 将来性がある
◇達成感
電気は、世の中のありとあらゆるところで用いられているインフラのひとつです。そのため社会に貢献できているという喜びを肌で感じることができます。
また、現場ごとで明確な成果物があり、完了するたびに達成感を味わうことができます。
◇手に職がつく
電気設備の工事には電気工事士の国家資格が必要で、電気工事士にしかできない仕事が沢山あります。経験を積めば積むほど技術が精錬され、一度身につけると一生困らない技術とも言われています。
◇将来性がある
5G、IoT、AIやVR・ARなどの最新技術も電気工事が不可欠です。そのため、仕事の需要は今後もあるでしょう。
また、将来的には現場監督になる道や、独立・開業する道もあり、多様なキャリアパスを描いていきやすいことも魅力です。
電気工事士の資格について
電気工事士の資格は以下の2種類あります。
- 第二種電気工事士
- 第一種電気工事士
資格試験の概要
試験については下記の様になっており、筆記試験と技能試験があります。
◇試験概要
第二種電気工事士 | 第一種電気工事士 | |
---|---|---|
試験日 | 上期 [学科]4-5月 [技能]7月 下期 [学科]9-10月 [技能]12月 | [学科]9-10月 [技能]12月 |
試験会場 | 全国47都道府県 | 全国47都道府県 |
受験資格 | 特になし | 特になし |
◇筆記試験
第二種電気工事士 | 第一種電気工事士 | |
---|---|---|
試験方式 | CBT方式または筆記方式(マークシート) 四肢択一 | CBT方式または筆記方式(マークシート) 四肢択一 |
試験時間 | 120分 | 140分 |
問題数・配点 | 50問×各2点 | 50問×各2点 |
合格基準 | 約60点 | 約60点 |
◇技能試験
第二種電気工事士 | 第一種電気工事士 | |
---|---|---|
試験方式 | 持参した作業用工具を使い、 配線図で与えられた問題を 支給される材料で時間内に完成させる | 持参した作業用工具を使い、 配線図で与えられた問題を 支給される材料で時間内に完成させる |
試験時間 | 40分 | 60分 |
問題数・配点 | 問題1問 | 問題1問 |
合格基準 | 欠陥をせず、時間内に完成させること | 欠陥をせず、時間内に完成させること |
出題範囲 | 事前に公表される 候補問題(13課題)より1題出題 | 事前に公表される 候補問題(10課題)より1題出題 |
試験の難易度
◇他の資格との難易度比較
資格の難易度を一覧で掲載している資格の取り方さんによると、第二種電気工事士の難易度は「44」、第一種電気工事士は「52」です。
参考に、別資格の難易度も抜粋して載せておきます。(2023/4時点)
資格 | 偏差値 |
---|---|
第三種電気主任技術者 | 58 |
日商簿記2級 | 58 |
1級電気工事施工管理技士 | 54 |
ビジネス会計検定2級 | 53 |
第一種電気工事士 | 52 |
2級電気工事施工管理技士 | 46 |
日商簿記3級 | 45 |
第二種電気工事士 | 44 |
ビジネス会計検定3級 | 41 |
勉強すれば資格取れる気がしてきたよ!
◇目安の勉強時間
第二種電気工事士 | 第一種電気工事士 | |
---|---|---|
筆記試験 | 50~100時間 | 60~120時間 ※第二種電気工事士に合格している場合 |
技能試験 | 50~100時間 | 60~120時間 ※第二種電気工事士に合格している場合 |
◇合格率
第二種電気工事士 | 第一種電気工事士 | |
---|---|---|
筆記試験 | 51~70% | 40~54% |
技能試験 | 62~74% | 58~84% |
第一種電気工事士の筆記試験では、出題範囲が広く、応用知識も必要なため、試験内容のレベルが高いです。そのため、第二種電気工事士と比較すると合格率が低くなっていると考えられます。
第二種電気工事士試験は、未経験者でもチャレンジしやすい試験となっています。そのため、独学で勉強される方もおり、筆記試験は勉強できても技能試験でつまずく方が多いことにより、技能試験の合格率が低くなっていると考えられます。
第二種と第一種の違い
第二種電気工事士
一般住宅や小規模な店舗などの600ボルト以下で受電する設備の工事に従事できる。
第一種電気工事士
第2種電気工事士が行えるの範囲に加えて、最大電力500キロワット未満のビルや工場、大規模な店舗などの工事に従事できる。
資格の有効期限
第二種電気工事士:有効期限無し
第一種電気工事士:有効期限が有り。5年おきに講習の受講と更新手続きが必要。
更新手続き内容:経済産業大臣の指定を受けた機関の定期講習を受講するのみ
※更新手続きを忘れてしまった場合、免状返納通告を受ける可能性がある。
電気工事士資格の勉強方法
【独学でも可能】筆記試験対策 ~参考書と過去問~
まず初めに筆記試験はきちんと勉強すれば独学で合格可能です。
筆記試験の対策では、参考書と過去問でインプット・アウトプットを行うのが基本になります。
まずは参考書を読み込んで知識を吸収し、その後は過去問演習を繰り返し行いましょう。
電気工事士の筆記試験は、毎回同じような構成(出題分野ごとに配点がだいたい決まっているという意味)で出題されていて、中には過去に出題された問題がそのまま出題されることもあるため、特に過去問演習は重要になります。
その中でも全体の4割程度を占める鑑別問題・配線図問題は徹底的に攻略しましょう。
鑑別問題対策
鑑別問題は工具や測定器、器具などの写真を見て、それぞれの名称や用途を答える問題です。
「写真」「名称」「用途」をセットで覚えていきましょう。
配線図問題対策
配線図の図記号に関する問題が出題されます。対策は「ひたすら覚える」のみです。
配線図の図記号はたくさんあり、一つ一つおぼえていくと大変です。似たような図記号をまとめて覚えていきましょう。
【過去問有り】おススメの勉強サイト
過去問.comがおススメのサイトです。
過去に出題された試験問題を1問1答形式で解いていくことができる勉強サイトです。
ランダムに過去問が出題されるランダム出題機能や、試験を想定して問題を解いていくことで合格率を判定できる模試出題機能もあります。
下記のサイトを参考にしてみてください。
【活用すべき】技能試験対策 ~通信講座・講習会~
技能試験の合格基準は「欠陥をせず、時間内に完成させること」です。出題された問題を時間内に欠陥なく施工できている場合に合格となります。
欠陥の例としては、未完成であったり配線が配線図と異なったりするといった場合です。1つでも欠陥があると技能試験には合格できません。正確性とスピードが必要となってきます。
技能試験は13問(第二種)・10問(第一種)の候補問題が公表され、その中から1問だけ出題される形式です。どの問題が選ばれるか試験当日までわからないので、全ての問題を対策することが必要です。
技能試験も参考書はあります。しかし、実際に手を動かして練習・対策をするので、そのようなことが苦手な人は特に独学で対策するのが難しいです。また、問題を見ても複線図の読み方が分からなかったり、工具の使い方を迷うという場合は独学での対策は厳しいでしょう。
そのような人は通信講座・講習会を活用してみてはいかがでしょうか?
おススメの通信講座・講習会は以下のものです。
- ユーキャン
- TAC
- 日本エネルギー管理センター
ユーキャン
・手厚い質問、添削サポート
メール、郵送などを使い、疑問点に対してのサポートを受けることができます。受講者から多い質問については、全ての受講者に情報展開してくれます。
また、技能試験に対しても添削を行ってくれます。
・講座に「工具セット」「ケーブルなどの材料」などが付いている
技能試験の練習・本番で使える「工具セット」、練習時に欠かせない「ケーブルなどの材料」も、受講と同時に受け取ることができます。
工具セットや材料を自分で購入する手間や費用を考えれば、ユーキャンの電気工事士講座費用はお得な料金設定と言えるでしょう。
TAC
・候補問題全ての対策実施
講義によっては、あらかじめ候補問題が情報開示されているため、全ての問題に対しての対策講座を実施して貰えます。
・講座に「工具セット」「ケーブルなどの材料」などが付いている
ユーキャンと同様、必要な部材を用意してくれるため、すぐ勉強に取り掛かることができる。
日本エネルギー管理センター
・低価格で講習会を受講できる
低価格で講習会を受講できます。しかし、そのため「工具セット」などは自分で用意する必要があります。
電気工事士の転職市場
電気工事士を取得すれば転職できる?
電気工事士の資格を取得すれば実際に転職できるのでしょうか?
実際のご意見をご覧ください。
電気工事士の資格を持っているのと、転職に有利な場面もありそうだね!
第二種と第一種の求人状況
第二種電気工事士
ビルメンテナンスの仕事や一般の電気工事会社などでは第二種電気工事士を優遇して採用しているケースが見られます。
年収は400万円台~500万円台の募集が多いようです。
第一種電気工事士
第一種電気工事士資格保持者のの高年齢化が問題となっており、第一種電気工事士の資格を取得していることで条件のよい就職・転職の可能性が高くなります。
第一種電気工事士の保持者では、インフラ関連、公共工事関連での求人も多く、全体的に第二種電気工事士よりも年収は高く、経験次第で年収700万円~800万円という仕事も少なくありません。
主な職種
主な職種は以下が挙げられます。
自分で検索して求人を探す際は、この様な職種がメインとなってくるでしょう。
- 電気工事作業者
- ビル設備管理
- サービスエンジニア
- 施工管理
おススメの転職エージェント・サービス
転職を検討する際、転職エージェント・サービスを使用することをおススメします。
下のブログでおススメの転職エージェント・サービスを紹介しています。
また、電気工事士関連では上記以外で下記のものもおススメします。
- 建職バンク
- 工事士.com
それぞれのサービスについて特徴を説明します。
建職バンク
・資格有無による求人のマッチ度向上
下記の資格有無によって求人検索することができ、企業側にとっても転職希望者側にとってもマッチした求人情報を展開することができます。
- 第一種電気工事士、第二種電気工事士
- 第一種電気主任技術者、第二種電気主任技術者、第三種電気主任技術者
- 1級電気工事施工管理技士、2級電気工事施工管理技士
- 1級建築施工管理技士、2級建築施工管理技士
- 1級管工事施工管理技士、2級管工事施工管理技士
- 一級建築士、二級建築士
- 1級土木施工管理技士、2級土木施工管理技士
・業界未経験の求人も多数有り
これから建設業界で働きたいという未経験者でも可能性があるので、使ってみる価値は大いにあります。
工事士.com
・工事士に特化した求人
工事士の求人はもう一つ広い範囲の施工管理や、全職種を扱う総合転職エージェントが扱っているのが一般的です。しかし工事士.comは、かなり狭い範囲の領域に特化しています。
そのため、公開求人数が少ないです。(1000件前後と言われています。)
・高収入求人が多い
700万円台の求人も少なくありません。そのため工事士としてキャリアアップの転職を目指す方に向いています。(求人数で考えると、年収400~600万円が多いです。)
大手の転職サービスと特化した転職サービスを併用することで、理想的な求人に出会えるチャンスがあるね。
まとめ
電気工事士はこれからも需要のある職種です。
下記のような人は、これから電気工事士の勉強してみてはいかがでしょうか?
- これから電気工事士を目指したい人
- 現在電気工事士として働いているが、資格を持っておらず、キャリアアップしたい人
そして実際に転職するとなった際は、おススメしている転職エージェント・サービスを使用して、より良い人生を切り開いてみましょう。
おススメの転職エージェント・サービスは下記です。参考にしてみて下さい。
みんな幸せになってね!
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